和歌子の子供のころの回想から始まります。 父「お人形さんのお世話が大好きなんじゃのう」「大きゅうなったら優しいままになれるで」 和歌子「うん! 和歌子大きくなったら優しいママになるう」   現在。人形を抱えて和歌子は押し入れの前で泣いています。涙がこぼれて泣きながら人形を抱きしめます。     約一か月半後。産婦人科にいる和歌子。   診察台に座っていてお医者さんから「痛くはないですか」と聞かれます。 「ちょ、ちょっとだけ」 お医者さんは麻酔をできるだけしない方針なので少しだけ我慢してくれと言います。 「はい、採卵が終わりました。」「ありがとうございます」 スポンサードリンク 今後のことをお医者さんが説明します。 「ええっと宝田さんは2回目でしたな」 「毎回採卵でつらいかもしれんですが頑張りましょう」 お医者さんは今後も前回と基本的に同じで、いま採った卵子の中から状態のいいものを選んで旦那さんの精子と受精させる顕微授精を行い、その後しばらく受精卵を育ててお腹にもどすことを話します。「子宮に戻すのは来週ですねー」。お医者さんは話しながら(昼飯を食べそこなったのー)と考えています。 和歌子はお医者さんから、回復室に移動して2時間ほど安静にしておくように言われます。 回復室では別の女性がうめきながら痛みを訴えています。看護師さんが「大丈夫ですか」「我慢してくださいね。採卵後は痛む場合もありますからね」と声をかけています。 その女性は看護士が立ち去った後も「痛い」「痛いよお」と声を出しています。 和歌子も痛みを感じてうめきます。 帰り道の路面電車内。 和歌子は、痛みを感じながら、なぜこんなことになったんだろうと考えます。 (つい先月まで普通に子供を作ろうとしとっただけじゃったのに) (何回も病院に行って、何度も注射を打って、痛い採卵をされて、だるくてつらい身体で病院に行って、受精卵をお腹の中に戻してもらって) (それでやっと子供を授かれると思うたらまたやっぱり整理が来て) (あと何回したら子供を授かれるんじゃろう) (費用だって1回が60万円) 役所から補助が出ても半年続けたら255万円 もし1年つづけたら525万円 (将来家を買うのをあきらめんと出せやせんが) 電車内の広告には「優しいお母さんになあれ」と書いてあります。 それを見て和歌子は泣き出します。 (なんでうちら夫婦だけこんな思いをせんといけんのん) (よろの夫婦には普通に子供ができとるじゃない!) 電車内で「うう」「うう」と声を出してなく和歌子。他の客は和歌子を見ています。 スポンサードリンク ところ変わって、宇奈月行政書士の事務所。 小さな子供を連れた女性の相談をうけています。 相談内容は、子連れで再婚するのに子供を普通養子縁組するのと特別養子縁組をするのとどちらがいいかというもの。 宇奈月は(もしかしたら小遣いくらいにはなるんかの?)と考えています。 宇奈月は特別養子縁組は子供のためにするものだと説明する。そして、特別養子縁組は実の親と法的に円が切れると説明する。 そのため、特別養子縁組は実の親が死んでも遺産を相続することができないと。 それに引き換え普通の養子なら実の親の遺産も相続できるし、養親の遺産も相続できる。 そこで宇奈月は、普通養子にしとくほうが得だと説明します。万一遺産が借金しかなくても相続放棄をすれば済むことやしのー、と。 和歌子の夫の考次が仕事を終えて帰宅します。 帰ると和歌子は人形にミルクを飲ませています。 それを見て考次は子供が生まれたときの練習をしているのかと思いますが、どうも和歌子の様子がおかしく思われます。 和歌子はさらに自分の乳を飲ませようとして「どうしてのんでくれんのん」と泣いています。     考次は義母に電話したところ、和歌子が思い詰めていることを聞かされ「考次さん。どうか、どうか和歌子をよろしゅうお願いします」「頼みます」「頼みます」と言われる。 考次は、翌日自分の母親に電話する。「子供ができんかもしれん」と。 母親は和歌子が子供のできん身体なら離婚せにゃ意見がな、と言います。 考次は「養子でももらわにゃもう子供が持てそうにないんじゃわい」と言い、母親はびっくりします。 次号に続きます。
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