明石の回想から始まります。

 

仁兵衛に擬態したときのことのようです。

 

仁兵衛「てめえ、明石!?」

 

明石「しっ、傷がひどくしばらくは動けなさそうだな、月島仁兵衛。」

 

「ひとつ聞く、先ほどから相手に傷を負わせられないが、かつ手立てはあるのか?」

 

仁兵衛「お、恐らく自分のもっている技では、、あれ以上傷を負わせることができない。だが、、、あの真田をも一刀両断にした富嶽泰山斬りならば、きっと、、、!!」

 

「しかし、あの技を使うためには相手の魔と呼吸を読まねばならぬと父上はおっしゃっていた。戦いながら、、、しかも短時間でそれほどまでに大生部多を見ることも知ることも自分にはできない!」

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明石「そうかわかった。」

 

明石は仁兵衛に擬態しました。

 

「拙者が時間と技や攻撃を引き出そう。おぬしは隠れてじっくり観察するがいい。」

 

 

場面は明石が攻撃をうけて壁に寄りかかっているところになります。

 

大生部多「これはしてやられましたね。明石全登殿が身代わりになって戦っていたとは、、、!」

 

(ちっ、毛利の奴め、、、気づいていたからあんなセリフを、、、)

 

 

大生部多「それで虫の息の明石殿、あなたの目的は何ですか? まさか常世の蟲を逃がすためだけの時間かせぎではないでしょう?」

 

明石が口を開きます。「恩を、返すため。、、、拙者の命題。人にとって神とは何か? その問いに月島仁兵衛が答えてくれた恩だ。」

 

仁兵衛はがれきの中にうずくまっています「明石、、、」

 

 

大生部多「人にとって神とはたどり着くことのできない絶対者のことです。残念、、、そんな下らぬ問答のために、あちら側につくなんてね。」

「その態度、、、気に入らないですね。、、、どうやら本物の紙である私を、あがめるつもりはないようですね。」

 

明石「本物の神? 誰一人にも求められていないというのに?」

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「拙者は切支丹、、、だというのに貴様ら違うモノに生かされている。我が信仰がけがされたと思っていた。」

 

大生部多「どうせあなたの信じる髪は何もしてくれませんよ。」

 

明石は笑います。

 

「そんなことはない、いつも救われてきた。」

 

「戦国の世、、、上と行く里不条理に苦しむ人々にとって、信仰こそがどれほど救いになるか。祈ることによって明日への希望が見いだせる。貴様の紙の力なぞ及びもつかぬ、、、まさに奇跡だ。」

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(拙者はそんな当たり前のことを忘れていたんだな、、、すべてを救って見せよ、、それが仏であっても。だから自分は助ける。日の本一の武士として!)

 

「神を助ける。それこそが拙者の求めていた答え。拙者は祈る。この祈りによって神に救われ、そして神を助けてきたのだから。」

 

「たとえこの身が蟲人であっても、本物の神は常に私の心の中にいる。」

 

「偽物の貴様にはわかるまいがな!」

 

大生部多「私が偽物とは、ずいぶん大口をたたきましたね。」

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明石(月島仁兵衛。お主のおかげで大事なことを思い出した。今度は拙者が命をかけてお主に返そう)

 

 

明石「月島仁兵衛は自分の信念を持ち、仲間とともに歩き続ける光のような強きモノだ。偽物の貴様では、月島仁兵衛に勝てない!」

 

明石(あとはまかせたぞ。これが最後の擬態。)

 

明石は大生部多に真っ二つにされます。その姿は大生部多自身に擬態しています。

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明石「そう、お前だ。月島仁兵衛にやられる。おまえの未来だ。」

 

仁兵衛はがれきの下で顔をうつぶせています。

 

「、、、明石。」

 

つづく。